データをもとに考える 高齢者は運転免許証を返納すべきか

データをもとに考える 高齢者は運転免許証を返納すべきか

データをもとに考える 高齢者は運転免許証を返納すべきか 

今年の4月、東京都豊島区で高齢者(87歳)の運転する乗用車が約150メートルにわたって暴走し、歩行者らを次々とはね自転車の母娘2人が死亡、車の運転手を含む40~90代の男女10人が重軽傷を負った事故後、東京都では運転免許証の返納が急増しました。
警視庁によると、池袋の事故があった週に都内で免許を返納したのは千人弱、翌週は約2割増加し、大型連休明けの5月7~9日は3日間だけで1200人超に達しました。
また、自主返納は1998年に制度化され、急拡大しており、2018年の75歳以上の返納者は29万2089人で過去最多を更新ています。

高齢者は車の運転免許証を返納すべきか

意外と知られていないことですが、高齢ドライバーが起こす交通事故は20代より少ないのが現状です。つまり、75歳以上の高齢者より16~24歳の若者のほうが事故は多いのです。(警察庁平成30年交通事故統計)

とはいえ、高齢になった自分の親や祖父母が外出先で交通事故を起こしたら…そう考えると家族は心配になってしまいます。
「高齢ドライバーは免許返納すべき」という意見もあります。

池袋の事故で母娘の2人を亡くした会社員男性は、「少しでも不安がある人は運転しないという選択肢を考え、周囲も働き掛け、家族内でも考えてほしい」と記者会見で訴えかけました。

一方で、「自分はまだまだ大丈夫、周りに何を言われても免許は返納したくない、ずっと車を使いたい」という高齢者も多いのも事実です。仮に家族が、「危ないよ、運転はもうしないで」などと返納を強要すると、ドライバーの尊厳を傷つけることにもなります。地方在住の場合は、「車以外の移動手段がまったく無いので免許は返納できない」という人もいます。
非常に難しい問題ですが、強要せずに「本人が納得して返納すること」が大切です。

運転免許証の返納の手続き自体は難しいものではありません。
例えば、納得して返納を希望する場合は、自分の住所地を管轄する警察署もしくは運転免許センターに、免許証と印鑑を持って行き、「免許証を返納したい」と伝えるだけでOKです。
なお、「返納」だけの場合、手数料は基本的に不要ですが、身分証明書として使える「運転経歴証明書」の交付を希望する場合は、手数料が必要です。
なお、自治体によっては、免許を自主返納すると交通機関の運賃割引、商品券交付などの特典がつくこともあります。

高齢化がすすむ現代社会、「高齢ドライバーの事故」について、正しい情報とデータをもとに、冷静な議論を進めていくことが必要ではないでしょうか。