レビー小体型認知症と摂食・嚥下障害

レビー小体型認知症と摂食・嚥下障害

レビー小体型認知症と摂食・嚥下障害

高齢者の介護・医療に携わっている皆様にとって、「認知症」はほぼ毎日のように耳にするワードかと思います。
認知症を正しく理解し知識を深めることは、患者様、ご利用者様、ご家族様をサポートしていく上で重要な課題の一つであると言えます。そこで、今回はレビー小体型認知症と摂食嚥下との関係についてご紹介をさせて頂きます。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、大脳と脳幹の神経細胞脱落とレビー小体の出現を特徴とし、進行性の認知機能障害に加えて、特有の精神症状とパーキンソニズムを示す変性認知症です。
発症年齢は60~80歳代に多く、報告によりばらつきがありますが、平均死亡年齢は68.4~92歳、平均罹病期間は3.3~7.7年でアルツハイマー型認知症よりも短く、予後は不良です。
老年期の変性認知症ではアルツハイマー型認知症に次いで頻度が高く、認知症のうち10~30%とされています。
歩行困難、寝たきり状態になりやすく、嚥下障害や自発性の低下から食事摂取困難となり、誤嚥性肺炎を繰り返すことも多くなります。その為、経鼻栄養や胃瘻造設が必要になることも多くなります。

レビー小体型認知症の嚥下の特徴

このようにアルツハイマー型に次いで頻度が高く、進行も早いとされているレビー小体型認知症ですが、嚥下に関してはどのような特徴があるのでしょうか。

・注意力障害と認知機能の変動により食べることが出来るときと出来ないときといった変動がある。
・ 視空間障害により食べ物までの距離が正確につかめず手が届かない、食べ物の位置関係がわからず食べ残す。
・パーキンソニズムによる振戦・無動で摂食動作に支障をきたす。
・幻視により、食べ物の中に虫や鳥の羽が入っているなどと言い、摂食を中断または拒否する。
・ドーパミンによる嚥下反射の低下による嚥下障害。
・抗精神薬への過敏性による誤嚥性肺炎のリスクがある。

認知症のステージごとの嚥下機能の特徴とは

では次に、「初期」「中期」「末期」と各ステージごとにどのような特徴があるのかをそれぞれご説明させて頂きます。
中期以降に関しては、レビー小体型に限らず、すべての認知症に共通してみられる特徴です。

初期
食べムラ、食べるときと食べないときの差が大きくなる。

中期
脳の萎縮が進み、失行、失認が出てくるようになる。具体的には、食事が食べ始められない、途中で中断する、食べるペースが乱れるなどの症状が現れたり、誤嚥も見られるようになります。

末期
脳の萎縮が重度になり、嚥下機能自体が障害される。口の中の食べ物をうまくまとめられなくなり、口の中に溜めるようになったり、食べる量自体も少なくなってきます。ここまでくると、傾眠や意識レベル低下の影響も出てくるようになり誤嚥、窒息のリスクも高くなります。

まとめ

今回は認知症、特にレビー小体型認知症と摂食・嚥下についてご紹介をさせて頂きました。
できるだけ、食事をとり続けて頂くために認知症の特徴、ステージの特徴などを考慮し、環境調整をしていく事は非常に大切です。
正しい知識を持って、食事の様子を注意深く観察することでより長く食事をとり続けて頂くためにどうすればいいのかがより明確になるのではないでしょうか。