より簡便に!新型リハビリロボット開発~リハビリテーションの歴史を振り返る~

より簡便に!新型リハビリロボット開発~リハビリテーションの歴史を振り返る~

より簡便に!新型リハビリロボット開発~リハビリテーションの歴史を振り返る~

先日、京都大学は、歩行学習支援ロボット「Orthobot(オルソボット)」を開発したと発表がありました。2020年3月にフィンガルリンク株式会社を通じての発売を予定しています。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2019/191211_1.html

従来のリハビリテーションロボットは装着に時間がかかり、専門家による設定が必要なことなどが、特に専門家のいない介護現場での導入の足枷となっておりました。同機器は高齢者を含め、歩行が不安定になった人に対して、より簡便に正常な歩行を体験させるための補助を行う機器として開発され、介護現場での導入が期待されています。リハビリテーションのロボット化は、人材不足対策や健康寿命の延伸を目指す上で必要な取り組みですね。さて、日進月歩で技術革新が進む現在ですが、今回はリハビリがどのような歴史をたどってきたのかについて概要をお伝えさせていただきます。

リハビリテーションの語源

現在、私たちが日常的に使っている「リハビリテーション」という言葉。機能回復訓練のみを指して使われることが多きこの言葉ですが、本来はもっと広義で使われる言葉であることは皆様ご存じでしょうか。リハビリテーションはラテン語が語源だと言われており、【re(再び)habilitare(人間らしく)】が本来の意味だと言われています(元々は、「復権」「名誉回復」などの意味で使われていたようです)。つまり、一人の人間として社会で自立した生活を送れるようにすることが本来のリハビリテーションという言葉で意味であると言えます。では、リハビリテーションはいつ頃始まったのでしょうか。

発端は第一次世界大戦後

リハビリテーションの起源は、第一次世界大戦後、アメリカにおいて傷痍軍人の治療の現場で使われていたといたとされています。傷を負った軍人に職業を斡旋するために戦傷者リハビリテーション法が成立したことが、リハビリテーションの起源だと言われています。戦傷者リハビリテーション法はその後、職業リハビリテーション法へと形を変えていきました。

障碍者の基本理念を作ったとされるリハビリテーション法

第二次世界大戦時になると、アメリカでは職業リハビリテーション法の置き換えとして、「リハビリテーション法」が制定されました。リハ法は障碍者差別の導入としても大きな意味を持っていました。職業リハビリテーション法の改正の過程で、障碍者差別を禁止する条項が挿入されたのです(第504条)。このことがきっかけで、障碍者に対する差別的禁止法理の適用を一般企業まで拡張することを障碍者団体が求めたこと等を背景に1990年にアメリカにおけるもっとも包括的な公民権法の1つといえる「障碍を持つアメリカ人法」が成立し、各分野において直接的・間接的に障害者政策に関わる法律が多数制定されるきっかけともなりました。また、1974年の改正で、障碍者の定義は次のように定義されました。「身体的または精神的な機能障碍があり、それによって本人の生活能力が1つ以上実質的に制限されているか、そうした機能障碍を過去に持っていた、もしくはそうした機能障碍を現在持っていると考えられる者」この定義はアメリカ人法に於いても導入をされています。リハビリテーション法の肝心の内容は、端的に説明させて頂くと、職業リハビリテーションプログラムを保証し、雇用、個人の生活を支援し、雇用主を援助するための連邦法です。職業リハビリテーション法に於いて、「雇用適正が合理的に推測されるもの」と限定的に定義されていた部分が、雇用適正とは関係のない事柄が問題になる場合についても障碍者の概念を使えるようになりました。

1980年代~

1980年代になるとリハビリテーションは人間の諸機能の回復を目的とすることに注力されていく事となります。国際障碍者リハビリテーション協会の80年代の憲章に於いては、「リハビリテーションとは障碍をもった個人を援助し、可能な限りその機能を発揮させるように、そして社会の中にインテグレート(統合)させるように、医学的・社会的・教育的・職業的な各手段を組み合わせて実行する過程である。」と定義されています。

現代のリハビリテーションとは

このように、リハビリテーションは職業リハビリテーション⇒機能回復のリハビリテーション⇒全人的復権を目指すリハビリテーションと形が変わってきていることがわかります。現代の日本のリハビリテーションでは、リハビリテーションには4つの領域があるとされています。

医学的リハビリテーション

医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職がチームを組み、機能の維持・回復や代償能力・残存能力の拡大及び強化が目的

社会的リハビリテーション

社会生活力を高めることを目的とし、地域社会の中で自分のニーズを満たし、豊かに社会参加する権利を実現する能力の向上を目指します

教育的リハビリテーション

年齢階層を問わず、障碍者(児)の身体、精神両面の自立を目指して行われる教育的支援

職業的リハビリテーション

職業指導、訓練、適職への就職など、雇用の確保と継続が出来るように支援する。職業評価、職業指導、職業訓練、職業紹介、保護雇用、フォローアップのつの過程が含まれる

このように医学的なリハビリテーションに留まらず、社会で自立した生活を送る為に必要なリハビリを行う「総合リハビリテーション」が行われるようになっています。

まとめ

今回はリハビリテーションの考え方の歴史的な変転についてご紹介をさせて頂きました。リハビリテーションの歴史は障碍者の歴史でもあります。身体的な障碍、精神的な障碍をお持ちの方が日に日に増加している現代社会において、彼らが社会に当たり前に社会参加ができるよう私たちは考えていかなければなりません。その為にはまず、彼ら、彼女らに対して特別なイメージを持つのではなく、理解し、一人の人間として付き合っていくことが大切です。社会的課題を解決するのは、行政や非営利団体という枠組みや固定概念に捉われず、個人個人が小さいことから当たり前に支援ができる社会になるよう、働きかけていきませんか。