介護予防の為の「通いの場」本格始動へ

介護予防の為の「通いの場」本格始動へ

介護予防の為の「通いの場」本格始動へ

1月23日の衆院本会議で、安倍晋三首相が介護予防の推進に向けて“通いの場”の展開に力を入れる方針を改めて表明しました。安倍首相は更に、「今後は“通いの場”をより多くの高齢者にとって魅力あるものとしていく」と強調し、「健康講話や会食、趣味の集いなど多彩なメニューを用意する事、保健師などの専門職が節目節目に関わって健康に関するアドバイスをすることなどを進めていく」と説明しました。

“通いの場”ってどんなところ?

“通いの場”とはどんな場所なのでしょうか。
わが国では少子高齢化が進み、医療や介護に充てる財源、そしてケアに携わる家族の時間やホームヘルパーの労働力の確保など問題が山積みとなっています。その為、政府は将来的に要介護状態にならないための様々な予防策を打ち出しています。“通いの場”はその政策の一つです。
“通いの場”は地域に住む高齢者が定期的に集まり、様々な活動を通じて仲間と楽しんだりリフレッシュしたりと、日々の生活に活気を取り入れてもらうための取り組みです。その中で、介護予防に直結する「ストレッチや運動」、「テキストやドリルを用いた頭の体操」、「口腔ケア」などの取り組みは“通いの場”における大きな柱となっています。
それ以外にも、お茶やお菓子をお共に雑談をしたり、囲碁サロンや将棋サロン、生け花やお料理教室、健康メニューの紹介など“通いの場”の内容は多岐に渡り、多くの高齢者の趣味や嗜好、ライフスタイルに合致するように幅広い広がりを見せています。

参加条件や費用負担は?

“通いの場”は全国自治体による「新しい総合事業」によって行われるもので、住まいのある自治体に住む65歳以上の高齢者であれば誰でも参加が可能です。現実的にはすでに介護が必要な方は参加が難しく、予防段階の「要介護」や「自立」の方が利用することとなります。
費用面に関して、“通いの場”は介護保険外のサービスとなってはいますが、自治体が主催者となるため原則、費用は公費で賄われます。その為、参加者が払うのは1回あたり数百円程度で済むため、家計を圧迫する心配はほぼありません。

“通いの場”の課題

厚生労働省はこれまでも、介護保険の枠組み(総合事業)を使って“通いの場”の推進を図ってきました。2018年度の時点で全国の開催数は10万か所を超えており、取り組みが徐々に広がりつつあるという見方もできますが、一方で、高齢者の実際の参加率は5.7%と低迷しているのが実情です。この数値を受け厚労省は成果を出した自治体により多くの額を配分する交付金をインセンティブとして使い、参加率をできるだけ高めていく計画を掲げています。地域の専門職や事業者などとの連携や協力も促していく構えをみせており、今後、参加率をいかに高めていくかも大きな課題となっています。

まとめ

今回は、“通いの場”についてご紹介をさせて頂きました。「最期まで自分らしく生きる」という人間としての尊厳を守る事こそが、介護予防の最大の理由です。23日の本会議で、安倍首相は閉じこもりがちな高齢者の存在にも目を向ける姿勢を見せました。こういった場に参加ができる方も、できない方も分け隔てなく、誰もが「最期まで自分らしく」を当たり前に叶えることができるような国となる為に、今回“通いの場”への注力はその第一歩となるかもしれません。