摂食・嚥下難易度レベルの判定方法

摂食・嚥下難易度レベルの判定方法

摂食・嚥下難易度レベルの判定方法

在宅の現場に於いて、できるだけ経口で栄養を摂取したい、してもらいたいというご本人様、ご家族様の声を多く聞きます。患者様や高齢者の方々に食べやすくて誤嚥事故のリスクの低い適切な食事を摂ってもらう為には、対象の方の嚥下のレベルがどの程度なのかを正しく判定する必要があります。VFやVEなど、機器による精査に基づく判定が理想的ではありますが、専門スタッフや設備の確保等の問題から、全ての対象者に提供することは困難となっています。機器による判定が困難な場合、通常はスクリーニングテストを行い嚥下のレベルを判定します。では実際にどのようにテストを行うのでしょうか。今回はスクリーニングテストの方法をご紹介させて頂きます。

摂食・嚥下障害の原因となる基礎疾患

スクリーニングのお話をする前に、摂食・嚥下障害の原因となる代表的な基礎疾患をご紹介させて頂きます。

中枢神経障害

・脳血管障害⇒脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
・変性疾患⇒筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病
・炎症⇒急性灰白髄炎、多発性硬化症、脳炎
・頸部外傷

末梢神経障害

・末梢神経麻痺、ニューロパチー

神経筋接合部・筋疾患

・重症性無力症、筋ジストロフィー、ミオパチー、多発性筋炎

◆解剖学的異常

・口腔咽頭食道病変、奇形、頸椎骨棘

スクリーニングを始める前に・・・

実際にスクリーニングを始める前に、対象者が以下の条件を満たしている事を確認する必要があります。
・全身状態は安定しているか。
・病状が落ち着いているか。
・本人、家族に経口摂取の希望はあるか。
・嚥下評価及び、訓練に協力的であるか。
・挿管をしていないこと。
これらを確認出来たら、実際にスクリーニングを始めます。

反復唾液嚥下テスト(RSST)

口腔内を湿らせた後に空嚥下を30秒繰り返してもらいます。ゴックンと飲み込める回数で嚥下機能を評価します。その際、中指でのどぼとけを軽く押さえ、ゴックンと飲み込んだ時にのどぼとけが中指を乗り越えるかで回数をカウントする方法もあります。2回以下の時は問題ありとし、3回以上は正常と評価されます。

改定水飲みテスト(MWST)

冷水3㎖を嚥下してもらい、嚥下やむせの有無、呼吸変化などをもとに嚥下機能を評価する方法です。
まずは冷水3㎖を用意します。先ほどと同じように指をのどぼとけの辺りにあて、嚥下を触診しつつ冷水3㎖を口腔底に注ぎ、飲み込んでもらいます(舌根に水を注ぐと誤嚥のリスクが高まる為注意)。その際に、むせや呼吸状態の変化の有無も併せて確認します。飲み込んだ後に「エー」と発生させて、湿性嗄声の有無を確認します。湿性嗄声がなければ反復嚥下を2回追加して行ってもらいます。

MWSTの評価基準

評点1:嚥下なし。むせる、もしくは呼吸切迫、もしくは両方。
評点2:嚥下あり。呼吸切迫。
評点3:嚥下あり。呼吸良好。むせる、もしくは湿性嗄声、もしくは両方。
評点4:嚥下あり。呼吸良好。むせなし。
評点5:評点4に加え、反復嚥下が30秒以内に2回可能。

評点3点以下は問題ありと評価。評点4点以上の場合、最大でさらに2回繰り返し評価を行い、最も悪い結果を評点とする。

まとめ

今回はスクリーニングテストについてご紹介をさせて頂きました。摂食・嚥下は栄養摂取だけではなく、服薬やQOLにも大きく影響を与えます。その為、正しく早急な評価が必要であり、適切な対応が求められます。しかしながら、摂食・嚥下の機能は覚醒状態にとても大きく影響されるという面があり、覚醒状態不良、従命困難な場合は誤嚥のリスクが高まる為、実施しないという判断をすることも重要となってきます。