認知症の約70%はアルツハイマー病

認知症の約70%はアルツハイマー病

認知症の約70%はアルツハイマー病

前回は認知症についてお話しました。思っていた以上に認知症も多種多様であることを知って頂けたのではないでしょうか。今回は原因の70%も占めるアルツハイマー病についての内容になります。

アルツハイマー病について

ICD-11: 6D80
・アルツハイマーとは最初の症例報告をした研究者の名前です
・大多数は、原因不明です。少数は、家族性(第1,14染色体に遺伝子変異がある)があります。
・主症状は、一般的な認知症症状として言われる、記憶障害、見当識障害、判断力障害、理解力障害などになります。
・副(周辺)症状(BPSD行動心理症状)は、うつ状態、幻覚・妄想(物盗られ妄想など)、行動障害、せん妄、不安などです。
・病期は、第1~3期まで言われていますが、最近では前臨床期も提案され始めています。
前臨床期…症状はないが脳内ではすでに病的変化がある
MCI(軽度認知障害:認知症予備軍)も該当するのではないかという意見もある
第1期 …記憶障害で始まり、見当識障害、不安、焦燥など(CT、MRI、脳波などの検査は正常範囲)
第2期 …理解力・判断力などの障害、着衣失行、失認、計算障害、多幸、落ち着きのなさ、けいれん、保続症、鏡現象、人格変化など(CT、MRI、脳波などの検査で異常所見)
第3期 …脳機能障害高度、言語がなくなり、失外套症候群(一種の植物状態)、四肢拘縮、屈曲姿勢など(CT、MRI、脳波などの検査で著名な異常所見)
・病理所見…大脳は、全体に委縮し、老人斑(ベータ・アミロイド蛋白など)、神経原繊維変化(リン酸化タウ蛋白)、神経細胞脱落など
老人斑や神経原繊維変化は画像化が可能になってきています。

(注)
失行…手足に障害がないのに、動作が正しくできないことで、着衣失行、構成失行などがあります。
失認…視覚、聴覚、触覚に異常がないのに、よく知っていることが認識できないことで、視覚失認や聴覚失認などがあります。
保続症…質問など刺激を与えられたとき、同じ返事や動作が繰り返される症状を指します。
鏡現象…鏡に映った自分を他人と誤認する症状です。

まとめ

今回、認知症の原因の70%を占めるアルツハイマー病についての概要を記載致しました。臨床所見や病理所見などわかりにくい内容もありますが、病期が分かれていることをご理解いただければと思います。利用者のこれまでの経緯などを聞かれている中で徐々に進行していた可能性があるのか、急変なのかなどを踏まえ、医師へご相談いただけるとより早く適切なケアへつなげられるかと思います。次回は、認知症の約20%の原因になる血管性認知症についてお話させていただきます。