病気と薬の基礎知識~高血圧と薬~

病気と薬の基礎知識~高血圧と薬~

病気と薬の基礎知識~高血圧と薬~

高血圧症の原因

日本では昔から食べ物の保存のために食塩を大量に使用してきました。これは日本独特の高湿度の気候の影響で、食物が傷みやすいということに由来しており、塩分を多く含む漬物などが好まれているのはこの為です。
塩分は水分を多く引き寄せる性質があります。そのため、塩分を大量に摂取すると血液量が増えて血圧が上がります。味の濃い(塩分量の多い)味付けは親から子へと代々受け継がれていきます。また、年を重ねるごとに味覚も低下するので、味付けは濃くなる一方です。
塩分以外では、日常のストレスが多い方、腎臓病や甲状腺の疾患を持っている方は血圧が上がりやすくなります。

血圧の正常値

心臓が収縮して全身に血液を送っているときが上の血圧で、心臓が膨らんで全身へ送る血液をためているときが下の血圧です。
正常値は上が140mmHg未満、下が90mmHg未満ですが、これは年齢とともに上昇します。高い血圧に慣れている人が急に血圧を正常に戻すと、具合が悪くなる場合があります。緊急時を除き血圧はゆっくり下げていくことが常識です。また病院で白衣を見ると、緊張して血圧が上昇する人もいるので、こういう人は普段の血圧を測る必要があります。160/95mmHg前後が投薬を開始する目安です。
50代くらいの人であれば、最終的には、140/80mmHgを目標に設定します。より高齢の人は、目標を160/90mmHgぐらいに目標設定することもあります。
普段血圧の低い人は、上が130mmHgでも具合が悪くなる場合があります。その人によって下げる目標は違うので、よく医師と相談することが必要です。

高血圧の症状

では高血圧の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。頭痛、肩こり、のぼせ、動悸、めまい、鼻血が出たりしますが、血圧が上がっても何も症状がない人は多くいらっしゃいます。無症状でも気づかないうちに血管が傷つき、動脈硬化が進行するので、定期的に血圧を測定する必要があります。
血圧が高い状態が続くと、心臓に負担がかるため、酷くなれば心不全を引き起こします。他の臓器の血管にも高い圧力が加わっているので、破れたり詰まったりしやすく、脳出血や心筋梗塞の原因になります。

 高血圧と治療薬

血圧は血管の内側にかかる圧力を指します。その為、血圧に影響を与えるのは、心臓からの血液の量と血管の太さです。そこで、血圧のコントロールには、心拍出量と末梢血管抵抗に作用する2つのタイプの薬が使われます。また近年は、この2つのタイプを組み合わせた薬も使われるようになりました。

◆心拍出量を減らす薬
●利尿薬
 利尿薬は水分とナトリウムの排泄を促進して、尿の量を増やします。尿が増えることで体内の水分が減り、血圧が下がります。
<薬品名>
・フルイトラン
・バイカロン
・ラシックス フロセミド
・アルダクトンA アルマトール
<注意点と副作用>
夜間に尿意が来ないように、特に指示がない場合は午前中に服用してください。
副作用として、めまい、ふらつき、立ち眩み、だるさ、味覚障害、聴覚障害があります。

●β遮断薬
心臓を活発にするβ受容体を遮断して、心臓の動きを遅くさせます。それによって、心臓から出ていく血液の量が抑えられ、血圧が下がります。

<薬品名>
・ミケラン カルテロール
・インデラル アイデイトロール
・メインテート メインハーツ
・テノーミン アテノロール
・セレクトール セブロブロック
<注意点と副作用>
β遮断薬は、気管支喘息の人や妊娠している人などは、使わない方が良い場合があります。医師には、ほかの病気の有無や健康状態について詳細にお伝えください。
副作用として、めまい、ふらつき、立ち眩み、呼吸がしにくくなる、視界がぼやける、目が乾燥するなどがあります。

◆末梢血管を拡げる薬-1
●α遮断薬
血管を収縮させるα受容体を遮断して、血管を拡げ血圧を下げます。
<薬品名>
・エブランチル ドキサゾシン
・カルデナリン
・ミニプレス
・デタントール
・バソメット
<注意点と副作用>
血管を収縮させるα受容体を遮断して、血管を拡げ血圧を下げます。
副作用として、めまい、ふらつき、立ち眩み、頭痛、頭が重い感じ、動悸などがあります。

●カルシウム拮抗薬
血管が収縮するのに必要なカルシウムを、血管の細胞の中に入れないようにし、血管を拡げて血圧を下げます。
<薬品名>
・アダラート コリネール
・アムロジン アムロジピン
・コニール
・ノルバスク アムロジピン
・ヘルベッサー クラルート
・ベルジピン アポジピン
<注意点と副作用>
グレープフルーツジュースと一緒に服用すると、薬の効果が強くなることがあります。
副作用として、歯茎が腫れる、めまい、ふらつき、立ち眩み、動悸、顔のほてり、手足のむくみなどがあります。

◆末梢血管を拡げる薬-2
 血圧は腎臓でもコントロールされています。腎臓の中で血圧を上げる体内物質のことを、アンジオテンシン2(A2)といいます。このA2が受容体にくっつくことで血管が収縮し血圧が上がります。
副作用として、顔や首、目の腫れ、咳、めまい、ふらつき、頭痛、頭が重く感じる、ほてり、のぼせ、動悸、手足のむくみがあります。

●ACE阻害薬
 ACE阻害薬はA2ができないようにして血圧を下げます。
<薬品名>
・カプトリル カプトプリル
・レニベース レニベーゼ
・インヒベース インヒロック
・エースコール テモカプリル
・タナトリル イミダプリル
・コナン
<注意点>
ACE阻害薬は痰を伴わない咳が出る副作用があります。かぜなど他の症状がないのに咳が続くときは、医師・薬剤師に相談してください。

●A2受容体拮抗薬(ARB)
腎臓の中で血圧を上げる体内物質、アンジオテンシン2(A2)が受容体にくっつかないようにして、血圧を下げます。
<薬品名>
・ニューロタン
・ブロプレス
・ディオバン
・オルメテック
・メカルディス

◆配合剤
 ARBと利尿剤が合剤になったものです。
<薬品名>
・プレミネント
・エカード
・コディオ

まとめ

今回は高血圧と薬についてお話をさせていただきました。基礎疾患として、高血圧をもった高齢者に関わる機会は多いのではないでしょうか。血圧を下げる方法は薬だけではなく、食生活の見直しなどによっても改善する場合があります。また、人それぞれ、年齢や体質、ほかの病気などにより血圧を下げる目標値も違ってきますので、よく医師と相談することが大切です。