在宅医療ニーズが増加~不要不急の入院・通院を回避~

在宅医療ニーズが増加~不要不急の入院・通院を回避~

在宅医療ニーズが増加~不要不急の入院・通院を回避~

待合による感染リスクの回避や家族面会が謝絶された為退院を希望する患者・家族より訪問診療やオンライン診療に対するニーズが高まっていると言われています。
今回は、訪問診療のメリット・デメリットを踏まえ、改めて在宅医療についておさらいさせていただきます。

そもそも在宅医療とは何か

在宅医療は、身体の機能の低下などにより、通院ができない場合に、自宅などに医師が訪問することで治療を行うことができます。主に寝たきりの高齢者など通院が困難な方に利用されています(コロナ渦では小児の在宅医療も増加傾向にあります)。
通院は困難だが、継続して医療を受けたいときや、治癒が困難な病で住み慣れた家で治療を受けたいと希望する方が自宅でも治療を行うことができます。
訪問する医師をはじめ、ケアマネージャー、訪問看護師、薬剤師など多くの人々が、チーム一丸となって、ご自宅で24時間対応で支えていく医療です。

在宅医療のメリット

在宅医療の最大のメリットは、「住み慣れたお家で医療を受けられる」ことです。長引く治療や入院生活は患者さんにとって、身も心も大きな負担になり、入院生活の場合、他の方と一緒に生活をすることになり、様々なことに制限が出てきてしまいます。
知らない方たちに囲まれて、長期間生活をするのは誰にとっても大きな負担になるでしょう。そんな生活に対して、在宅医療の場合は住み慣れた家で治療を行うことができるので、家族とこれまでと変わらず生活を行うことが可能です。
医師が認める範囲ですきなものを食べることができますし、何を着るか、何時に起きて何時に寝るか、一日をどう過ごすか、本人が自由に決められます。また、病院の場合、面会禁止(コロナ渦)や小さな子どもは面会できないこともある他、面会時間にも制約があります。在宅では子供を含め、家族に囲まれて過ごす時間をより多くもてることが大きなメリットといえるでしょう。

在宅医療のデメリット

在宅医療のデメリットは、病院や施設に比べ、家族の負担が大きくなることです。在宅医療では、在宅医が訪問診療をするとはいえ、主役は本人や家族になります。たんの吸引や床ずれの手当て、呼吸器や点滴バックの管理など、家族が医療行為をおこなうこともあるため、家族にかかる負担は、病院医療よりも大きくなります。また、在宅医療には、医師や看護師、介護事業者、セラピストなど、様々な人が関わるため、精神的に負担を感じる患者さんもいます。

在宅医療を受けられる対象の方は?

在宅医療は通院が困難な方に対する医療になります。以下のような方が対象となります。基本的に在宅医療は病状がある程度安定し、なおかつ、通院が困難な方が利用する医療になります。

・在宅での療養を希望される方
・入院や通院が困難な方
・末期がんの方で痛みなどを和らげる緩和医療が必要な方
・認知症や寝たきりの方
・在宅で生活するうえで医療的サポートが必要な方
・難病・重度障害者の方

在宅医療の費用はどれくらい?

◆一般的な在宅医療の費用例
例1)訪問診療/月2回、訪問看護/月2回(一般的な訪問頻度)
8,000円程度(1割負担の場合)

例2) 訪問診療/月4回、訪問看護/月8回(少し多めの訪問頻度)
13,000円程度(1割負担の場合)

※自己負担上限額:70歳以上の多くの方の場合、上限は18,000円(2020年6月現在)
※70歳以上の自己負担割合は、所得などにより2割や3割の場合もあります。

上記の基本的な費用に加え、使った分の薬代(薬剤料)など別途かかりますが、「安定した状態」なら医療費はあまりかかりません。在宅医療は、医師や看護師による定期的な治療や専門的な指導によって、「安定した状態」が長く続くことをめざしています。病気を合併しないようにすることが、医療費の負担を軽減することにつながります。

在宅医療を希望する際に医療機関を選ぶポイント

「ときどぎ入院、ほぼ在宅」といった方法を選択する場合、在宅医療提供している医療機関が病床をもっており、かつ、レスパイト入院が可能かという点は、非常に重要です。選択肢として、いつもみてもらっている先生に病院でも診てもらえることは大きな安心感につながります。
また、一般的に病院であれば、医師の在籍数もクリニックに比べ多い傾向にあります。内科以外でも精神科・整形外科、皮膚科などの専門医による介入も同法人で完結するため、わざわざ専門医に外来受診する負担を軽減できます。

まとめ

「住み慣れた家で療養生活を過ごしたい」という方のご希望に添えるのが在宅医療ですが、本人やご家族の負担も大きくなることから、不安を抱きやすいものです。「24時間対応や緊急時対応は大丈夫なのか」、「病院と同じような十分な医療が受けられないのではないか」といった不安があるのは当然です。
現在の在宅医療では、医療機器の小型化や軽量化により、病院の検査や治療とほぼ変わらないレベルで、実施できるようになっています。さらに、在宅医療では、症状の有無や程度に関わらず、1回の診療時間が「病院外来」と比べ、長い傾向にあります。在宅医は、病気の状態を診察するだけでなく、患者や家族との会話を通じて、信頼関係を築き、希望や価値観を把握して「生活の一部」としての医療を位置付けているからです。
在宅医療での主役は、あくまでも患者さんとご家族です。よりよい療養生活を過ごすためにも、在宅医療を提供している機関の特徴を踏まえて、意思決定をサポートするとよいでしょう。