食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?Vol.2

食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?Vol.2

食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?Vol.2

野菜を最初に食べる「ベジファースト」は、今や“常識”とまでいわれています。1度の食事だけを考えると、野菜から食べることはもちろん健康効果を期待できるやり方です。でも、それに加えて「セカンドミール効果」を考えてみてはいかがでしょうか。今回は、セカンドミール効果が期待できる食事内容についてお話致します。

セカンドミール効果のある朝食とは、どんなもの?

シリアルが朝食にいいという報告があります。なかでも、麦類などの穀物にナッツやドライフルーツなどを加えたグラノーラを勧める専門家もいます。穀物は炭水化物が多く、カロリーも低くはありません。しかし、大麦やオートミール(えんばく)は精製された小麦粉や白米より食物繊維を多く含んでいるのです。
100g中の成分を確認すると、大麦の炭水化物は72.1~77.8gで、そのうち食物繊維は8.7~10.3g、オートミールの炭水化物は69.1gで、そのうち食物繊維は9.4gとなっています。これに対して“全粒粉以外の小麦粉”の炭水化物は70.6~75.8gで、そのうち食物繊維は2.1~2.8g、白米(うるち米)の炭水化物は77.6gで、そのうち食物繊維は0.5gしかありません。ヘルシーメニューとして最近、小麦粉なら全粒粉を選ぶ傾向が見られますが、実際、全粒粉であれば炭水化物68.2g中、食物繊維は11.2g含まれています。
また、グラノーラにはナッツやフルーツが加えられている場合が多く、これらによって多彩な栄養素を摂ることができます。グラノーラに乳製品などを加えれば、朝食として十分だとする専門家もいるのです。同じシリアルでも、単一の食材で作られたものより、グラノーラのほうが栄養バランスは優れているといえそうです。

しっかりと組み合わせた食事が大事!

もちろん、「パンとコーヒーだけ」とか「ごはんとお茶だけ」という食事では、セカンドミール効果はあまり望めません。ただし、同じパンでも全粒粉が使用されていたり、ライ麦などを材料としていれば、精製された小麦より期待できそうです。ごはんの場合も精白米だけでなく、麦ごはんや発芽玄米などを組み合わせることを考えましょう。100gの発芽玄米には74.3gの炭水化物の中に食物繊維は3.1gと、精白米の6倍以上含まれているからです。

炭水化物を構成しているのは糖質と食物繊維

「糖質オフダイエット」を否定する意見の中には「炭水化物を制限すると食物繊維の摂取も減少してしまうから、健康に悪影響を与えかねない」という理由もあるようです。また、糖質を抑えようとして炭水化物を制限するあまり、脂質やたんぱく質を摂取しすぎる懸念も指摘されています。セカンドミール効果を望む朝食を摂る場合も、バランスを考えながら行うのがよさそうです。

豆類のセカンドミール効果は?

豆類のセカンドミール効果を調査した研究があります。
1日の1食目に大豆焼き菓子、せんべい、何も食べないという3つのグループに分け、3時間後には3グループとも同じ市販栄養食品を食べるという実験を行ったところ、大豆焼き菓子を食べたグループは、1回目の食後だけでなく、2回目の食後の血糖値も下がったという結果が得られたといいます。2回目の食事30分後の血糖値は上がるのですが、60分後や120分後はせんべいや何も食べないというグループより低くなっていたのです。これはセカンドミール効果によるものと考えられます。
21~22歳の男女が「普段の朝食」を摂取したのち昼食にごはんとお茶を摂取、翌週は「普段の朝食+豆乳400ml/普段の朝食+納豆90g」を摂取したのち昼食にごはんとお茶を摂取して、それぞれの食後血糖値を比較した研究もあります。その結果、豆乳400mlを摂取した場合は昼食後30分の血糖値が低くなり、納豆90gを摂取した場合は、昼食後15分、30分、45分の血糖値が低くなりました。この結果から、豆乳や納豆を摂取しなかった場合より、摂取した場合の方が血糖上昇を抑えられ、不溶性の食物繊維が関与する可能性があると考えられました。
ところが翌年、同じ研究グループが朝食にごはんと一緒に豆腐400gまたは納豆90gを摂取した場合と、大豆製品を摂取しない場合とを比較したところ、昼食後の血糖上昇抑制効果は見られず、セカンドミール効果はなかったと報告されています。
セカンドミール効果があった場合となかったとされる研究結果の違いについて、理由はまだわからないとされていますが、朝食の量やほかの栄養素がかかわった可能性があるといいます。

セカンドミール効果には未知の部分もある

セカンドミール効果に関しては、まだ明らかになっていないことも多いのですが、最初の食事で血糖値やインスリン濃度の上昇を抑制すると、2回目の食事で摂取した後の反応も改善することが、世界中で数多く報告されています。少なくとも暴飲暴食を避けて、糖質が少なく食物繊維の多い食事を心がけることは、食後高血糖を抑制できる可能性が高いといえます。特に仕事が忙しくて昼食を“手抜き”しがちな人にとって、朝食であらかじめカバーできる可能性があるなら、トライする価値は十分にあるはずです。食後高血糖になるような食生活を毎日続けていたら、糖尿病やメタボをはじめとした生活習慣病のリスクが高まってしまうからです。

まとめ

朝食のメニューをしっかり考えれば、昼食はサンドイッチやパスタ・麺類、丼物だけといった簡単な外食ですませても、昼食後の血糖値を抑えられる可能性があるということになります。これなら、手抜きメニューの昼食に対する罪悪感が軽くてすむのではないでしょうか。「ベジファースト」を実践している人も、「ファースト」は食事の最初という意味だけでなく、「1日の最初の食事」ということも考慮して再プランニングしてみましょう。