看護師の日雇い派遣容認~労働者派遣法のルール変更~

看護師の日雇い派遣容認~労働者派遣法のルール変更~

看護師の日雇い派遣容認~労働者派遣法のルール変更~

政府は先月25日、労働者派遣法のルールを変更する政令を公布しました。契約期間が30日以内の日雇い派遣は原則禁止としていますが、看護師が介護施設、障碍者施設で働く場合などに限り例外として認めることにしました。実際の施行は今年の4月1日です。
管首相は8日の参院予算委員会で、介護施設などへの看護師の日雇い派遣を新たに容認することについて、「適切な労働条件のもとで業務ができるよう、しっかりと指導・監督させていく」と述べました。

これまでの労働派遣法

ではこれまでの労働派遣法はどのようなルールだったのでしょうか。ポイントをおさらいしてみましょう。

<改正前のルール>
■日雇い派遣の禁止
・労働契約期間が30日以内の日雇い派遣の全面禁止。
・アルバイトやパートなどの直接雇用では同条件でも働くことが可能。
・雇用期間が31日以上の労働契約をしているにも関わらず、就労日数が1日しかない、あるいは契約期間中の初日と最終日しか就労日数がない場合は、明らかに「社会通念上妥当」とは言えないと解釈される。
・雇用契約期間が31日以上の労働契約の中で、A社へ2週間、B社へ1週間、C社へ2週間など、複数の会社に派遣することは差し支えない。
・例外として、60歳以上の方、雇用保険の適用を受けない学生、年収500万円以上の方、世帯収入が5000万円以上で主たる生計者でない方は日雇い派遣で働くことができる

ニーズから考える良い点・悪い点
では今回のルール変更は実際の現場ニーズに合っていると言えるのでしょうか。

■施設側のニーズ
大前提として、施設側の看護師受け入れのニーズは増加しています。現在、人材確保難が慢性化している実態から、自在確保の間口を広げる意味合いで契約社員や派遣社員を一手段として取り入れている施設は数多く存在しています。しかしながら、「日雇い派遣」に対してニーズは決して高くはないと予測されます。施設側は長期就労者を自社雇用したいと考えているからです。しかしながら、将来的な自社雇用に繋がる可能性を見越しての日雇い派遣という見方であれば、ニーズは高まっていると言えそうです。

■看護師側のニーズ
看護師側のニーズは増加傾向であると言えます。特に潜在看護師が職場復帰を目指し派遣登録を行う場合、その多くは短期派遣の要望となります。背景として、職場復帰をする際に、フルタイム勤務を望まず、週3日程度の勤務を希望する方が大多数であるためです。しかしながら、希望する派遣先の施設の希望には偏りがあります。例えば、オンコール対応がある特別養護老人ホームなどは避ける傾向があるようです。また、慢性的な人材不足の影響もあり、看護師は現在のライフステージを考えつつ、仕事内容、収入、やりがいなどを考えて仕事を選ぶことができるため、自然と施設側と看護師等との間に“ニーズのギャップ”が生まれると予測されます。

将来的な可能性

施設や業務内容によっては、日雇い派遣が施設のニーズに合致することもあります(大型連休や季節繁忙期等)。潜在看護師が職場復帰をする方法の一つとして日雇い派遣という働き方がマッチする可能性はありそうです。日雇いから長期派遣に切り替わる看護師等が出ることで施設のニーズに今以上に合致する可能性は考えられます。

まとめ

今回は、看護師の日雇い派遣に関する労働派遣法のルールの変更に関してご紹介しました。施設側のシフト管理、安定した人材供給、新規参入派遣会社の施設へのマッチング精度など、考えられる課題は数多く存在しますが、慢性化している人材確保難の解決策の一つとして機能してくれることに期待したいですね。